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【2024/04/25 15:25 】 |
運転理論2、ある区間における所要時分の計算(仮アップ)
1、走行パターン

均衡速度Vb、当区間への進入速度Vi、次の区間への進出速度Vo(=次の区間のVi)、勾配nが条件として与えられる。しかし、加速しきれなかったり、速度が低下したりで次の区間へVoで進出できるかどうかは分からない。またVoが低ければ、減速しきるためにViが低くなければならない。それら全てのパターンをグラフとして書き出してみると次の通り。

Unten3_1.pngパターン1、これはVi≦Vbのとき。
区間長D、進入速度Vi、進出速度Vd、制限速度Vlを定めたとき、D=Dx=Da+Dbとして加速曲線と減速曲線の交点は下限値条件無しでDa、Dbを用い、
   D=Da(n,Vi,Vx)+Db(n,Vo,Vx)=Da(n,0,Vx)-Da(n,0,Vi)+Db(n,0,Vx)-Db(n,0,Vo)
   D+Da(n,0,Vi)+Db(n,0,Vo)=D(n,0,Vx)+Db(n,0,Vx)=加減速距離に対応するVx
を満たすVxを考える。これはエクセル上ではデータ範囲の値を上限として必ず存在する。次に
   D=Da(n,Vi,Viex)を満たすViex ⇒ D+Da(n,0,Vi)=加速距離に対応する速度=Viex
   D=Db(n,Vo,Vosx)を満たすVosx ⇒ D+Db(n,0,Vo)=減速距離に対応する速度=Vosx
を考えると、Vx、Vl、Viex、Vosxのうち最低値を最高速度Vmとし、(1)を基本とし
   D=加速距離Da+巡航距離Dc+減速距離Db ⇒ Dc=D-Da(n,Vi,Vm)-Db(n,Vo,Vm)
   Tt=Ta(n,Vi,Vm)+(D-Da(n,Vi,Vm)-Db(n,Vo,Vm))/Vm×3600+Tb(n,Vo,Vm)
   Tt=MAX(0,Ta(n , 0→Vm)-Ta(n , 0→Vi))+(D-MAX(0,Da(n , 0→Vm)-Da(n , 0→Vi))-MAX(0,Dd(n , 0→Vm)-Dd(n , 0→Vo))/Vm×3600+MAX(0,Td(n , 0→Vm)-Td(n , 0→Vo))
Vm=Viexのとき次区間のViはViexとなる。Vm=Vosxのとき次区間のVoはVosxとなる。



Unten3_2.pngパターン2、これはVb<Viのとき
減速を開始する速度をVvとすると下限値条件無しでDd、Dbを用い
   D=Dd(n,Vi,Vy)+Db(n,Vo,Vy)=Da(n,0,Vi)-Da(n,0,Vy)+Db(n,0,Vy)-Db(n,0,Vo)
   -D+Da(n,0,Vi)-Db(n,0,Vo)=Da(n,0,Vy)-Db(n,0,Vy)=加減速距離に対応するVy
を満たすVyを取る。次に
   -D+Da(n,0,Vi)=加速距離に対応する速度=Viey
   D+Db(n,0,Vo)=減速距離に対応する速度=Vosy
を考えるが、以上3数はエラーが出るので「Iferror」で回避する。(5)はVo<Vy<Viで、(6)はVy<VoでVieyが次区間のViを規定、(7)はVi<VyでVosyが前区間のVoを規定。以上から(1)を基本として
   Dd(n,Vi,Vb)+Db(n,Vo,Vb)≦Dのとき、Vv=Vb
   D<Dd(n,Vi,Vb)+Db(n,Vo,Vb)でVo<Vv<ViのときVv=Vy
   D<Dd(n,Vi,Vb)+Db(n,Vo,Vb)でViey<VoのときVv=Viey
   D<Dd(n,Vi,Vb)+Db(n,Vo,Vb)でVosy<ViのときVv=Vosy
   として
   D=下降距離Dd+巡航距離Dc+減速距離Db ⇒ Dc=D-Dd(n,Vi,Vv)-Db(n,Vo,Vv)
   Tt=Td(n,Vi,Vv)+(D-Dd(n,Vi,Vv)-Db(n,Vo,Vv))/Vv×3600+Tb(n,Vo,Vv)
   Tt=MAX(0,Ta(n , 0→Vi)-Ta(n , 0→Vv))+(D-MAX(0,Da(n , 0→Vi)-Da(n , 0→Vv))-MAX(0,Dd(n , 0→Vv)-Dd(n , 0→Vo)))/Vv×3600+MAX(0,Td(n , 0→Vv)-Td(n , 0→Vo))
Vv=Vieyのとき次区間のViはVieyとなる。Vm=Vosyのとき次区間のVoはVosyとなる。

2、判断パターン

Unten3_3.pngバカ正直にこれらのパターンを判断しようとするとこんな感じに8段階にごちゃごちゃ判断しなければならないのだが・・・










① 減速のみの区間をVosとViによって判定
  VosはVlとVbとViに関わらず次式で求められる。

  Vos=Lookup(D+Lookup(Vo,速度Table,n減速距離Table),n減速距離Table,速度Table)

 パターン1(8)とパターン2(8)は共にVos<Viのとき無条件で減速のみの区間でかつVosを前区間に渡さなければならないことを示す。当該区間の進入速度Viの上限値としてViに修正をかけると、Vosを直接用いた計算が要らなくなる。

② 減速が無い区間をVoとVieによって判定
  Vbを単純に「MATCH(0,加速度Table,-1)」で求めると、0<加速度を満たす最大速度を返してくる。これはVbが誤差で正しいVbの下に出るためで、絶対値積算グラフで「MATCH(0,加速度Table,-1)+d」Vbを求めることで回避する。よってVieは加速と下降で分け、

  Viex=Min(Lup(D+Lup(Vi,速度T,n加距T),n加距T,速度T),MATCH(0,加速度T,-1))
   Viey=Max(Iferror(Lup(-D+Lup(Vi,速度T,n加距T),n加距T,速度T),0),Match(0,加速度T,-1)+d)

として計算する。「-D+Lup(Vi,速度T,n加距T)」が負の値を取るとき、対応する加速距離は無いのでエラーが出るが、これはつまりVb以下で逆加速を取ってるからなのでVbを取るようにエラーで0が返るようにIFERROR関数を設定しておく。これでVie≦Voを満たしたときに減速が無いことを判定できる。ければならないことを示す。当該区間の進出速度Voの上限値としてVoに修正をかけると、Vieを直接用いた計算が要らなくなる。

③ 前後区間の整合性を取る
 進入速度・進出速度は、区間の前後で停車するなら0にする、当該区間より制限が低かったらその低い制限に合わせる、さらに①②より前の区間のVie、後ろの区間のVosを制限速度の一つと考える・・・の3点について整合性を取ることで最終的な決定を見る。が、区間長に対して加速が鈍いときは隣接区間だけでなくその向こう、それで足りなければそのまた向こうの区間まで考慮しなければならないが、これは繰り返し計算をすることで実現し得る。短い区間があればあるほど、最高速度が高ければ高いほど繰り返しが必要になる。

3、関数を再定義

Da=Max(0,Lookup(V2,速度Table,n加速距離Table)-Lookup(V1,速度Table,n加速距離Table))
Ta=Max(0,Lookup(V2,速度Table,n加速時間Table)-Lookup(V1,速度Table,n加速時間Table))
Dd=Max(0,Lookup(V1,速度Table,n加速距離Table)-Lookup(V2,速度Table,n加速距離Table))
Td=Max(0,Lookup(V1,速度Table,n加速時間Table)-Lookup(V2,速度Table,n加速時間Table))
Db=Max(0,Lookup(V2,速度Table,n減速距離Table)-Lookup(V1,速度Table,n減速距離Table))
Tb=Max(0,Lookup(V2,速度Table,n減速時間Table)-Lookup(V1,速度Table,n減速時間Table))

ということで、改めてこんな関数を定義してみる。DはDistance、つまり走った距離。TはTime、つまり走った時間。小文字は、aは加速、dは均衡速度より高い速度で区間に進入、bは減速の場合。aとdはグラフとしては同じものを使う。前回のエクセルについて、加速曲線を伸ばすと曲線が上に反っていく。これがdの部分。逆に言えば速度が上昇してるときは、そこから先は使えない。使えないから均衡速度Vbを使って判断しなければならない。

IF(Vl<Vb,1,-1) を用いると、Vl、Vbを与えることで同じ加速距離Tableを用いてることからDaとDd、TaとTdを統合でき、

  D=Max(0,IF(Vl<Vb,1,-1)*(Lookup(V2,速度Table,n加速距離Table)-Lookup(V1,速度Table,n加速距離Table)))
  T=Max(0,IF(Vl<Vb,1,-1)*(Lookup(V2,速度Table,n加速時間Table)-Lookup(V1,速度Table,n加速時間Table)))

として統合できる。このときVi、Vo、V、Vl、Vbを定めたときの時間計算式を

  Tt=Max(0,T(n,Vi,V))+(D-Max(0,D(n,Vi,V))-Max(0,Db(n,Vo,V)))/V×3600+Max(0,Tb(n,Vo,V))

と再定義できる。

4、走行パターンの整理統合

2によりパターン1、2にあるような、実際の走行速度とVi、Voが乖離するパターンが無くなるので、そこを判断する必要が無くなる。よってパターン1は(1)に(2)(3)(4)(5)が、(6)に(7)(8)、パターン2は(1)に(2)(3)(4)(5)が、(6)に(7)(8)が収斂し、それぞれ整理してみると、

Vl<Vbのとき、

① パターン1(1)加速、Vlで巡航、減速。(加速距離0、巡航距離0を考慮。)
このときV=Vlで良い。
② パターン1(6)制限まで加速せずに減速。(減速開始速度Vx≒Vlを考慮。)
このとき次式からV=Vxで良い。
  Vx=Lookup(D+Lookup(Vi,速度Table,n加速距離Table)+Lookup(Vo,速度Table,n減速距離Table),n加減速距離xTable,速度Table)

以上二つからV=IF(Vl<Vb,MIN(Vl,Vx),)として2のTtを求める式を用いれば良い。

Vb<Vlのとき
  Dd+Db=Max(0,Lookup(Vi,速度Table,n加速距離Table)-Lookup(Vb,速度Table,n加速距離Table))+Max(0,Lookup(Vb,速度Table,n減速距離Table)-Lookup(Vo,速度Table,n減速距離Table))
  Vy=Lookup(Lookup(Vie,速度Table,n加速距離Table)-Lookup(Vo,速度Table,n減速距離Table),n加減速距離yTable,速度Table)

③ D≦Dd+Dbのとき、パターン2(1)で、V=Vb+dでよい。
④ Dd+Db<Dのとき、パターン2(6)で、V=Vyで良い。ViとVoが修正されているので必ずVo≦Vy≦Viを満たす。

以上二つからV=IF(Vb<=Vl,Max(Vb,Vy),)として2のTtを求める式を用いれば良い。


これらの判定をまとめて、性能曲線や制限速度、ViとVoから所要時間を1区間について算出するエクセルは次の通り。



・・・と思ったら容量制限でござるorz

 
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【2011/11/09 06:35 】 | 運転理論 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
運転理論1、加減速度の算出とグラフの描出
1、加減速度と引張力・ブレーキ力
 列車を加速させるためには、列車抵抗とバランスする引張力にさらに余分の引張力を要す。これを一種の抵抗とみなしたものが加速度抵抗で、列車重量W[t]の列車 に加速度A[km/h/s]を与えるのに必要な引張力は、回転慣性抵抗を考慮して28.35に(1+x)かけて次の通り。

 加速度抵抗[kg]=28.35×(1+x)×列車重量W[t]×加速度A[km/h/s]

またブレーキ力D[kg]として加減速度は
 加速度A[km/h/s]= 引張力F[kg]-列車抵抗R[kg]
28.35×(1+x)×列車重量W[t]
 減速度B[km/h/s]= ブレーキ力D[kg]+列車抵抗R[kg]
28.35×(1+x)×列車重量W[t]

回転慣性抵抗の分の28.35×(1+x)は在来線で30.9、新幹線で29.8、その他では30.0を取る。

2、引張力
 引張力F[kg]は特性引張力、粘着引張力、電気車であれば起動引張力のうちの最低を取る。
(1) 特性引張力は各種方式により異なるので詳細は他に譲るが、VVVFインバータ機では
 特性引張力Fc[kg]= 367×主電動機総出力P[kW]×動力伝達効率η
速度V[km/h]

(2) 粘着引張力、または粘着牽引力Ff[kg]は粘着係数μを速度V[km/h]を用いた計画式で計算する。
 μ= 27.2  (新幹線の計画式、晴天清浄)
V+85
 μ= 13.6  (新幹線の計画式、雨天汚損)
V+85
 μ=0.265 1+0.403V  (抵抗制御の機関車の計画式)
1+0.522V
 μ=0.326 1+0.279V  (交流機関車の計画式、VVVF車にも用いて良いはず)
1+0.367V
 μ=0.245 1+0.050V  (電車の計画式)
1+0.100V

以上から

 粘着牽引力Ff[kg]=1000×μ×動輪上重量Wd[t]

(3) 起動引張力Fs[kg]は電動機に流せるアンペア数に限界があってトルクが制限されるために生ずる制限で、詳しくは電気に詳しい人に譲るとして、趣味人的に は起動加速度から逆算して用いる。

 起動引張力Fs[kg]=起動加速度As[km/h/s]×28.35×(1+x)×列車重量W[t]+列車抵抗R[kg]

ただし列車抵抗R[kg]は0[km/h]のものとし、出発抵抗は無視する。

3、加減速度の計算とグラフ化

回生制動を前提とし、最大減速力が起動引張力と等しい場合、
 加速度A[km/h/s]= MIN{特性引張力Fc[kg],粘着引張力Ff[kg],起動引張力Fs[kg]}-列車抵抗R[kg]
28.35×(1+x)×列車重量W[t]
 減速度B[km/h/s]= MIN{特性引張力Fc[kg],粘着引張力Ff[kg],起動引張力Fs[kg]}+列車抵抗R[kg]
28.35×(1+x)×列車重量W[t]

速度がV1からV2に変化するとき、その差d[km/h]が十分小さければそのときの時間T[s]と距離S[km]は

 加速時間Ta[s]=d/A、減速時間Tb[s]=d/B、距離S[km]=VT/3600

これを連続計算して積算すると加速曲線と減速曲線を得られる。グラフからの読取形式を次に定める。

ある性能(P[kw]、Rt[kg/t]、W[t]、Wd[t])の列車がn[‰]の 勾配でV1からV2[km/h]に加速したとき

 走行距離Da(+n , V1→V2)[km]、走行時間Ta(+n , V1→V2)[s]

ある性能(P[kw]、Rt[kg/t]、W[t]、Wd[t])の列車がn[‰]の勾配でV2からV1[km/h]に減速したとき

 走行距離Db(-n , V2→V1)[km]、走行時間Tb(-n , V2→V1)[s]

以上をエクセルに落とし込むと
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/8081b41d86f00e289bca187351ddd727/1320680825

このようなグラフを得られる。このグラフさえあれば加減速の時間・距離を好きなように求めることができる。

Unten1_Graph.png
【2011/11/08 01:29 】 | 運転理論 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
列車抵抗について蒸機からリニアまで

鉄軌道の場合、列車抵抗は

1)出発抵抗 停止中の列車が出発するとき
2)走行抵抗 平坦な直線路を走るとき
3)勾配抵抗 坂を上るとき
4)曲線抵抗 曲線を走るとき
5)加速度抵抗 加速するときに生じる抵抗=加速するのに必要な引張力
6)トンネル抵抗 トンネル内走行時に風圧変動で生じる

があり、リニアは浮上式なんで速度比例の浮上抵抗が加わるのか?
走行抵抗は次のような速度の2次式で表される。

 走行抵抗R=A+BV+CV^2

各係数は、鉄軌道なら

A:車軸と軸受に生じる摩擦抵抗
B:車輪とレールの転がり抵抗、車両の動揺による摩擦抵抗、車両と空気の摩擦抵抗
C:車両前面の風圧、および後面の吸気により生じる抵抗

と分けられる。国鉄・JRで使ってる式を蒸機から新幹線まで並べると、

TrainResistance.png

となる。なんかカオス。300系、500系、700系だけは割と理屈に沿った作りになってるが、他は微妙な点多し。それでも実用式として実験から定めたものなので妙な突っ込みは無しだ。







ここでリニアについて考えてみる。

http://www.mlit.go.jp/common/000144239.pdf

> 2027年首都圏~中京圏開業時の想定
> ピーク時:5本/時間
> 所要時間:40分
> 約27万kW

> 2045年首都圏~関西圏開業時の想定
> ピーク時:8本/時間
> 所要時間:67分
> 約74万kW

> 500km/h走行時の超電導リニア1列車の想定消費電力は、約 3.5万kW。

議事録も読むと500km/h巡航で動輪周出力?に相当する出力が3.5万kWとのことなので、これで列車抵抗を逆算できる。定数項、1次項、2次項の係数が問題になるので、これは300系・500系・700系から考えよう。

車両質量はそれぞれ711t、700t、708t、定員乗車で1323[人]×55[kg/人]=72.765[t]を入れて列車質量を783.765t、772.765t、780.765tとし、リニアはトンネル走行前提なのでトンネルの式を定数+1次項と2次項でグラフ化して、さらにリニアのターゲットポイントを入れると

TrainResistance_300_500_700.png

こんな感じになる。あとはカンでやるしかない。もう一か所くらいあると良かったんだが贅沢は言えないね。で、床下はぜんぶフラットだし車体表面はリニアが滑らかって程度だけどまぁ700系よりマシ程度に見ようか。機械的な抵抗は無いし台車もなめらかな形状である一方で、誘導抵抗ってやつが頭を過ぎる。

2次項は空気を押し分ける抵抗なんだからと考えると、トンネル断面積と車体断面積を比べてみようか?

300系=11.40/62.8=0.1815
500系=10.20/63.4=0.1609
700系=10.94/62.8=0.1742
(車両断面積 E954:10.8m^2、E955:9.3m^2、N700:10.8~10.85m^2)

2次項の係数はこの倍率の2乗の4.6倍にニアピンになってる。よってリニアでも同様にリニア実験線のトンネル断空面積82.4m^2・・・あ、ガイドウェイとか設置して71m^2だっけ・・・から、

0.06593=(8.5/71)^2*4.6

を得る。これをもとに、500km/hで定数項+1次項+2次項の値が3.5万kWとイコールになるようにすると、列車重量429tでは

R=2.8W+0.03733VW+0.06593V^2

を得る。が、これでは

A:車軸と軸受に生じる摩擦抵抗
B:車輪とレールの転がり抵抗、車両の動揺による摩擦抵抗、車両と空気の摩擦抵抗

についてリニアは700系の1.5倍だなんてことになる。変な感じがする。
で、磁気抗力なんてものを調べてみると重量に対して10~3.2/230程度だ。429tで考えるなら18652kgf~5969kgfでしかも数字が低いのが高速側。でけえ。でまぁこれ考えたところで200km/h以下の領域での列車抵抗に効いてくるだけだし、暗算で考えてみるに磁気抗力考えたら別にこれでいいんじゃねぇ?という感じ。電磁気なんかそんな詳しくないからということでいったん妥協しとく。

TrainResistance_MLX01.png



 

【2011/11/07 00:12 】 | 運転理論 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
高速鉄道の曲線の制限速度を計算する。
簡単に精度良く新幹線やリニアの速度制限を計算してみようぜという話。理屈としては以下の通り。

曲線制限速度計算

床面の傾斜角はカントや車体傾斜角から計算するようにすればよい。ラジアンを°に変換するとか噛ませてエクセル化するとこうなる。
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/8081b41d86f00e289bca187351ddd727/1320493548

とりあえず5km/h刻みで制限速度を出すようにしといた。在来線については今までいろいろな人によって計算方法が紹介されてきてるんで、そちらに譲る。
【2011/11/05 20:51 】 | 運転理論 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
速度と牽引力と出力についての解説

機関車さん

・ある荷物を5kgの力で押して10m先に持っていく仕事があります。
仕事は力が大きいほうが偉いです。距離が長いほうがすごいです。
力と距離を掛け算した数字を仕事としましょう。

  この場合、仕事=5×10=50

・AさんとBさんがその仕事をしていますが、Aさんは5秒、Bさんは10秒でやります。
おなじ仕事をしていますが、かかってる時間が違うので、短時間でやるAさんが偉いぞというのを、数字で比較できないかと考えます。で、秒数で割ってみました。

  Aさん 50÷5=10
  Bさん 50÷10=5

Aさんのほうが倍偉いというのが分かりました。これを仕事率といいます。

  仕事率=力×距離÷時間

です。ここで「距離÷時間=速さ」なので、

  仕事率=力×速さ

です。

さて機関車さんは、イマドキな遊輪が無い人の場合、低い速さだと体重×0.3くらいしか力出ません。
でも、昔の機関車さんは0.2~0.25くらいなので、イマドキ機関車さんは進歩してます。

H級134.4tの機関車さん 仕事率=134.4t×0.3×速さ
F級100.8tの機関車さん 仕事率=100.8t×0.3×速さ
D級67.2tの機関車さん 仕事率=67.2t×0.3×速さ

になります。ようは体重で力持ちかどうか決まっちゃうんですね。じゃぁ足の速さはどうでしょう?
足を速く動かすと、足の裏はばたばたして滑りやすくなっちゃいます。
なので速くなるにつれ、「0.3」がちょっとずつ低下しちゃいます。困った話ですね。
ということで、52km/hくらいで考えてみましょう。このとき0.2になっちゃいます。
掛け算したときに適切な単位もつけましょう。

H級134.4tの機関車さん 仕事率=134.4t×0.2×52km/h
                    =26.88tの力×52km/h≒4000kW
F級100.8tの機関車さん 仕事率=100.8t×0.2×52km/h
                    =20.16tの力×52km/h≒3000kW
D級67.2tの機関車さん 仕事率=67.2t×0.2×52km/h
                    =13.44tの力×52km/h≒2000kW

さて、仕事率には機関車さんそれぞれに限界があります。心臓がバクバク言っちゃうんですね。体温上がっちゃうんですね。限界突破で体ぶっ壊します。それは困りましたね。

限界は突破しないことにしましょう。Hさんは4000kWが限界です。Fさんは6000kWが限界です。Dさんは4000kWが限界です。体が小さいのにHさんより体力あるんですね素晴らしい。77km/hのときのことを考えましょう。
0.2はさらに低下して0.17ほどになっちゃいます。

H級134.4tの機関車さん 仕事率=22.85tの力×77km/h=5000kW
F級100.8tの機関車さん 仕事率=17.14tの力×77km/h=3750kW
D級67.2tの機関車さん 仕事率=11.42tの力×77km/h=2500kW

あれれ、Hさんは体力突破しちゃいました。不味いですね。息切れして斃れてしまいます。少し力を抜いて走りましょう。18.28tの力なら4000kWになります。

H級134.4tの機関車さん 仕事率=18.28tの力×77km/h=4000kW
F級100.8tの機関車さん 仕事率=17.14tの力×77km/h=3750kW
D級67.2tの機関車さん 仕事率=11.42tの力×77km/h=2500kW

体力に合わせて走ったら、HさんはFさんに追いつかれてきました。これ以上速度を上げるとさらに逆転していきます。

さてさて、これらは粘着係数計画式を新幹線のものを用いており、これはJRが在来線の機関車に用いている式に比べてかなり低めに出るので、上記の式はかなり強調した話であることをご理解ください。

出力の計算

ニュートン方程式から、加速させる力[kgf]=重さ[kg]×加速度[m/s^2]。これは感覚的にもOKなはずですね。
めっちゃ力入れるとめっちゃ加速する、重いものを加速させるにはめっちゃ力いれる、ただそれだけ。
次に、質量1kgの物体を1kgfの力で引くと9.8[m/s^2]の加速度を得るので、

 加速させる力[kgf]=重量[kg]×加速度[m/s^2]÷9.8[m/s^2] (=1[N])

これを

 1000×列車重量[t]=列車重量[kg]
 1[km/h]=1000[m/h]=1000/3600[m/s] ⇒ 1[km/h・s]=1000[m/h・s]=1000/3600[m/s^2]

を使って列車重量[t]と加速度[km/h/s]で計算できる式に変えると、

 加速させる力[kgf]=1000×列車重量[t]×1000/3600×加速度[km/h/s]÷9.8
 ⇒加速させる力[kgf]=28.35×列車重量[t]×加速度[km/h/s] ・・・①

次に引張力と速度と仕事率の関係は

 仕事率[kgf・m/s]=引張力[kgf]×速度[m/s]

これを1[m・kgf/s]≒9.80665 [W]、1[km/h]=1000/3600[m/s]で書き直すと

 出力[kW]=引張力[kgf]×速度[km/h]×1000/3600×9.80665
 出力[kW]=引張力[kgf]×速度[km/h]÷367 ・・・②
 (出力[HP]=引張力[kgf]×速度[km/h]÷270)

で、ある速度のときにある加速度を与えるのに必要な出力は、②式の「引張力[kgf]」に①式の「加速させる力」を代入してやれば良く、

 必要な出力[kW]=28.35×列車重量[t]×加速度[km/h/s]×速度[km/h]÷367

となる。

【2011/11/03 11:43 】 | 運転理論 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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