忍者ブログ
  • 2024.02
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2024.04
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2024/03/29 07:11 】 |
速度と牽引力と出力についての解説

機関車さん

・ある荷物を5kgの力で押して10m先に持っていく仕事があります。
仕事は力が大きいほうが偉いです。距離が長いほうがすごいです。
力と距離を掛け算した数字を仕事としましょう。

  この場合、仕事=5×10=50

・AさんとBさんがその仕事をしていますが、Aさんは5秒、Bさんは10秒でやります。
おなじ仕事をしていますが、かかってる時間が違うので、短時間でやるAさんが偉いぞというのを、数字で比較できないかと考えます。で、秒数で割ってみました。

  Aさん 50÷5=10
  Bさん 50÷10=5

Aさんのほうが倍偉いというのが分かりました。これを仕事率といいます。

  仕事率=力×距離÷時間

です。ここで「距離÷時間=速さ」なので、

  仕事率=力×速さ

です。

さて機関車さんは、イマドキな遊輪が無い人の場合、低い速さだと体重×0.3くらいしか力出ません。
でも、昔の機関車さんは0.2~0.25くらいなので、イマドキ機関車さんは進歩してます。

H級134.4tの機関車さん 仕事率=134.4t×0.3×速さ
F級100.8tの機関車さん 仕事率=100.8t×0.3×速さ
D級67.2tの機関車さん 仕事率=67.2t×0.3×速さ

になります。ようは体重で力持ちかどうか決まっちゃうんですね。じゃぁ足の速さはどうでしょう?
足を速く動かすと、足の裏はばたばたして滑りやすくなっちゃいます。
なので速くなるにつれ、「0.3」がちょっとずつ低下しちゃいます。困った話ですね。
ということで、52km/hくらいで考えてみましょう。このとき0.2になっちゃいます。
掛け算したときに適切な単位もつけましょう。

H級134.4tの機関車さん 仕事率=134.4t×0.2×52km/h
                    =26.88tの力×52km/h≒4000kW
F級100.8tの機関車さん 仕事率=100.8t×0.2×52km/h
                    =20.16tの力×52km/h≒3000kW
D級67.2tの機関車さん 仕事率=67.2t×0.2×52km/h
                    =13.44tの力×52km/h≒2000kW

さて、仕事率には機関車さんそれぞれに限界があります。心臓がバクバク言っちゃうんですね。体温上がっちゃうんですね。限界突破で体ぶっ壊します。それは困りましたね。

限界は突破しないことにしましょう。Hさんは4000kWが限界です。Fさんは6000kWが限界です。Dさんは4000kWが限界です。体が小さいのにHさんより体力あるんですね素晴らしい。77km/hのときのことを考えましょう。
0.2はさらに低下して0.17ほどになっちゃいます。

H級134.4tの機関車さん 仕事率=22.85tの力×77km/h=5000kW
F級100.8tの機関車さん 仕事率=17.14tの力×77km/h=3750kW
D級67.2tの機関車さん 仕事率=11.42tの力×77km/h=2500kW

あれれ、Hさんは体力突破しちゃいました。不味いですね。息切れして斃れてしまいます。少し力を抜いて走りましょう。18.28tの力なら4000kWになります。

H級134.4tの機関車さん 仕事率=18.28tの力×77km/h=4000kW
F級100.8tの機関車さん 仕事率=17.14tの力×77km/h=3750kW
D級67.2tの機関車さん 仕事率=11.42tの力×77km/h=2500kW

体力に合わせて走ったら、HさんはFさんに追いつかれてきました。これ以上速度を上げるとさらに逆転していきます。

さてさて、これらは粘着係数計画式を新幹線のものを用いており、これはJRが在来線の機関車に用いている式に比べてかなり低めに出るので、上記の式はかなり強調した話であることをご理解ください。

出力の計算

ニュートン方程式から、加速させる力[kgf]=重さ[kg]×加速度[m/s^2]。これは感覚的にもOKなはずですね。
めっちゃ力入れるとめっちゃ加速する、重いものを加速させるにはめっちゃ力いれる、ただそれだけ。
次に、質量1kgの物体を1kgfの力で引くと9.8[m/s^2]の加速度を得るので、

 加速させる力[kgf]=重量[kg]×加速度[m/s^2]÷9.8[m/s^2] (=1[N])

これを

 1000×列車重量[t]=列車重量[kg]
 1[km/h]=1000[m/h]=1000/3600[m/s] ⇒ 1[km/h・s]=1000[m/h・s]=1000/3600[m/s^2]

を使って列車重量[t]と加速度[km/h/s]で計算できる式に変えると、

 加速させる力[kgf]=1000×列車重量[t]×1000/3600×加速度[km/h/s]÷9.8
 ⇒加速させる力[kgf]=28.35×列車重量[t]×加速度[km/h/s] ・・・①

次に引張力と速度と仕事率の関係は

 仕事率[kgf・m/s]=引張力[kgf]×速度[m/s]

これを1[m・kgf/s]≒9.80665 [W]、1[km/h]=1000/3600[m/s]で書き直すと

 出力[kW]=引張力[kgf]×速度[km/h]×1000/3600×9.80665
 出力[kW]=引張力[kgf]×速度[km/h]÷367 ・・・②
 (出力[HP]=引張力[kgf]×速度[km/h]÷270)

で、ある速度のときにある加速度を与えるのに必要な出力は、②式の「引張力[kgf]」に①式の「加速させる力」を代入してやれば良く、

 必要な出力[kW]=28.35×列車重量[t]×加速度[km/h/s]×速度[km/h]÷367

となる。

PR
【2011/11/03 11:43 】 | 運転理論 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
<<資料リンク (目くじら立てないでください) | ホーム | 財務省所管の地震再保険特別会計が如何に有用かについて。>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














虎カムバック
トラックバックURL

<<前ページ | ホーム | 次ページ>>