1、資料
http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/company/com_6.html
JR北海道の統計
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/kankou/adviser/siryou2_irikomi%2020_1.pdf
平成19年度来函観光客入り込み
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/toukei/kannkoubutu/toukeisyo/pdf/p.pdf
複数年度に渡る別集計
http://www.dokeiren.gr.jp/assets/files/pdf/teigen/2006_08sinkansen-youyaku.pdf
北海道新幹線の360km/h運転を前提とした需要予測に基けば、毎時2本の列車を設定したときの乗客誘導例は次の通り。
速達列車・・・690万/年
東京~札幌を利用する、関東~道央+道東・北・・・637万+28万
その他地域~北海道・・・25万
道内は各駅に停車する列車・・・新函館以南430万/年、新函館以北508万/年
東北~札幌を利用する、東北~道央+道東・北・・・194万+11万
東京~新函館等を利用する、関東~道南・・・108万
東北~新函館等を利用する、東北~道南・・・117万
新函館~札幌間で完結する道内利用・・・303万
2、二酸化炭素排出量の変化
http://www.ntsel.go.jp/kouenkai/h21/21-02.pdf
政府の資料は素晴らしいものばかりだ。こういうものを見ずに官僚批判・政治批判しちゃいけないよね。
というわけで早速作業に入る。需要予測のほうは定番資料の↓を用いる。
http://www.dokeiren.gr.jp/assets/files/pdf/teigen/2006_08sinkansen-youyaku.pdf
この二つの資料を組み合わせてCO2排出量を概算してみる。
実キロ調べるのが激しく面倒だから、在来線は営業キロだ。
某需要予測とともに、航空機は標準1の84g/人キロを用いる。新幹線は15g/人キロ、在来線ECは交流高速ECから6g/人キロ、DCは回生が使えないぶんを見て9g/人キロ、モノレールは9g/人キロ、バス56g/人キロ。
道北・道東は面倒なので目的地を旭川に仮定、道央は札幌、道南は函館、東北は仙台、関東は東京or浜松町、航空による函館行きは函館空港、道央・道北・道東は新千歳利用、新千歳から各目的地は実績より鉄道と自動車の利用は半々と仮定
、北海道対関東東北以外は浜松町~札幌に置き換えて計算、以上から、
新幹線開業前の東京対北海道の航空
浜松町~羽田17.8km*1522万人*モノレール9g
+羽田~函館682.4km*145万人*航空84g+バス連絡8.5km*145万人*バス56g
+羽田~新千歳822.4km*1122万人*航空84g+バス札幌41.2km*561万人*バス56g+鉄道札幌46.6km*561万人*鉄道6g
+羽田~新千歳822.4km*255万人*航空84g+バス旭川177km*128万人*バス56g+鉄道旭川183.4km*128万人*鉄道6g
=106610621.6万g=106.6万トン
東北対北海道の新幹線開業前の航空
仙台~仙空17.5km*135万人*鉄道6g
+仙台~函館400.0km*3万人*航空84g+バス連絡8.5km*3万人*バス56g
+仙台~新千歳540.8km*120万人*航空84g+バス札幌41.2km*60万人*バス56g+鉄道札幌46.6km*60万人*鉄道6g
+仙台~新千歳540.8km*12万人*航空84g+バス旭川177km*6万人*バス56g+鉄道旭川183.4km*6万人*鉄道6g
=6334075.8万g=6.3万トン
新幹線開業後の東京対北海道の航空
浜松町~羽田17.8km*984万人*モノレール9g
+羽田~函館682.4km*58万人*航空84g+バス連絡8.5km*58万人*バス56g
+羽田~新千歳822.4km*691万人*航空84g+バス札幌41.2km*346万人*バス56g+鉄道札幌46.6km*346万人*鉄道6g
+羽田~新千歳822.4km*235万人*航空84g+バス旭川177km*118万人*バス56g+鉄道旭川183.4km*118万人*鉄道6g
=69673955.2万g=69.7万トン
東北対北海道の新幹線開業後の航空
仙台~仙空17.5km*42万人*鉄道6g
+仙台~函館400.0km*1万人*航空84g+バス連絡8.5km*1万人*バス56g
+仙台~新千歳540.8km*36万人*航空84g+バス札幌41.2km*18万人*バス56g+鉄道札幌46.6km*18万人*鉄道6g
+仙台~新千歳540.8km*5万人*航空84g+バス旭川177km*2.5万人*バス56g+鉄道旭川183.4km*2.5万人*鉄道6g
=1975094.6万g=3.0万トン
新幹線開業前航空総排出量 106610621.6+6334075.8万g=112944697.4万g=112.9万トン
新幹線開業後航空総排出量 69673955.2+1975094.6万g=71649049.8万g=71.6万トン
差し引き 41295647.6万g=41.3万トン
次に鉄道のものを算出する。
鉄道は経路ごとに一人当たりの数字を先に出し、それから需要予測の数字を掛け算して合計する。
開業前
東京~旭川 新674.9km*15g+EC157.0km*6g+DC315.3km*9g+EC136.8km*6g=14724.5g
東京~札幌 新674.9km*15g+EC157.0km*6g+DC315.3km*9g=13903.2g
東京~函館 新674.9km*15g+EC160.4km*6g=11085.9g
仙台~旭川 新349.5km*15g+EC157.0km*6g+DC315.3km*9g+EC136.8km*6g=9843.0g
仙台~札幌 新349.5km*15g+EC157.0km*6g+DC315.3km*9g=9022.2g
仙台~函館 新349.5km*15g+EC160.4km*6g=6204.9g
関東対道南央北東+東北対道南央北東
=2*14724.5+25*13903.2+18*11085.9+3*9843.0+28*9022.2+69*6204.9=1286863.9万g
開業後
東京~旭川 新1034.9km*15g+EC136.8km*6g=16344.3g
東京~札幌 新1034.9km*15g=15523.5g
東京~函館 新824.9km*15g=12373.5g
仙台~旭川 新709.5km*15g+EC136.8km*6g=11463.3g
仙台~札幌 新709.5km*15g=10642.5g
仙台~函館 新499.5km*15g=7492.5g
関東対道南道央道北道東+東北対道南道央道北道東
=263*16344.3+1353*15523.5+166*12373.5+15*11463.3+230*10642.5+119*7492.5=30867179.4万g
よって新幹線開業で29580315.5万g=29.6万tの増
鉄道と航空の合算では、114.2万tから102.5万tへ、11.7万tの減少となる。建設に際しての排出量が129.2万t弱の推算となるから11.04年で建設に伴う排出量分の収支も取れる。
逆にCO2排出量1tあたりどれだけの人数が移動してるか見ると、新幹線開業前は合算で114.2万tを排出して1800万人なので、排出量1トンにつき15.8人が移動、開業後は2146万人で102.5万トンで排出量1トンにつき20.9人が移動することになる。
化石燃料の利用効率は32.3%上がることになる。
3、事業収支を考えてみる。
検証の元となる路線データ
東京~(674.9km)~新青森~(150.2km)~新函館~(210km)~札幌
需要予測は
http://www.dokeiren.gr.jp/assets/files/pdf/teigen/2006_08sinkansen-youyaku.pdf
を参照する。
乗車率と設定本数
需要の積算は
関東・東北~道央・道北 11+194+28+637=870万人
関東・東北~道南 117+108=225万人
道内 303万人
地域~北海道 25万人
ここから新函館で区切って抜き出すと
新函館以南 870+225+25=1120万人/年
新函館以北 870+303+25=1198万人/年
毎時10両2本(速達+準速達)、有効時間帯14時間として、年間提供座席数は1列車800人として
2本*片道14本*往復の2*800人*365日=1635.2万席/年
よって、平均乗車率は
新函館以南 1120/1635.2=68.5%
新函館以北 1198/1635.2=73.3%
となるから、まぁ妥当といったところか。季節変動は臨時で対応可能だろう。場合によって新函館~新札幌の各駅停車を追加してもよかろう。
料金を試算して利益を求める
東京~札幌1035.1kmでJR北海道の取り分は、予想料金22000円として、実㌔で按分して
22000円×360.2/(674.9+360.2)=7656円
比較として東海道山陽新幹線では東京~厚狭で営業㌔1083.8km実㌔968.7kmで19850円。
次に東海道・山陽・東北新幹線から同等の距離の区間の料金を参照すると、
新青森~新函館150km 5240円 (東京~那須塩原 営 157.8km 実152.4km)
新青森~新函館150km 4930円 (東京~~新富士 営 146.2km 実135.0km)
新函館~~札幌210km 7460円 (東京~~~郡山 営 226.7km 実213.9km)
新函館~~札幌210km 6820円 (小田原~~豊橋 営 209.7km 実197.5km)
新青森~~札幌360km 10080円 (東京~~~仙台 営 351.8km 実325.4km)
新青森~~札幌360km 10070円 (品川~~名古屋 営 359.2km 実335.2km)
実㌔Verで計算すると・・・
関東・東北~道央・道北 11+194+28+637=870万人、870万人×7656円=666.1億円
関東・東北~道南 117+108=225万人、225万人×3190=71.8億円
道内 303万人、303万人×6820円=206.6億円
地域~北海道 25万人、25万人×7656=19.1億円
トータル963.6億円。
毎時10両2本(速達+準速達)、有効時間帯14時間として
車両㌔=10*28*2*365*360=7460.6万㌔
経費はJR東海の公開資料から概算するに車両㌔あたり528円だから393.9億円
よって差し引きで年間の利益は569.7億円となる。
アクセスタイム込み所要時間・フリークエンシーとシェア
東京駅~札幌駅は395分短縮。
現状 乗車602分+待ち33分=635分
将来 4時間(240分)
幹線旅客純流動調査(2005)から、アクセスタイム込み所要時間では東京23区~札幌市は
現状 690分
将来 295分
さらに東京23区~大阪市のデータと比較してみると、
対札幌 対大阪 対大阪シェア
航空 215分 136分 34~19%
新幹 295分 227分 66~81%
倍率 1.37 1.67
よって北海道新幹線は、東海道新幹線よりも時間的には優位な競争を仕掛けることとなる。
本数で比較すると、
新千歳空港~羽田52+成田4=56往復
北海道新幹線 28往復
羽田~伊丹29+関西国際18=47往復
東海道新幹線 80~100往復
よって北海道新幹線は、東海道新幹線よりもフリークエンシーに劣る競争を仕掛けることとなる。
以上2点から先の需要予測における、北海道新幹線の54%というシェアは概ね妥当と見て良いと推察される。
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