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【2024/04/27 02:36 】 |
第四回幹線旅客純流動調査を元にした需要予測

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/15/150727_.html
http://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/jyunryuudou/

日本では5年ごとに全国幹線旅客純流動調査という全国を網羅した最大規模の流動調査が行われている。これは各種の調査や推計、需要予測に用いられている。需要予測にあっては国交省がハンドブックも発行している四段階推定法があって、これを用いるのが最も信頼性が高くなるが、しかし趣味人が個人でやるには処理量が膨大になりすぎて非現実的すぎる。JRTT以外の機関でもモデルを作っていたりはするし、限定されたエリア内でのモデル化も研究機関で行われてはいるが、これまた取扱注意なもので便利でない。

そこで、直線距離で200km以上の流動に限定して簡便にシェア予測し、もって新規需要を無視した保守的な需要予測することに狙いを絞り、費用面と所要時間面でシェア分析を試みた。

なお、新規需要とは幹線旅客純流動の各圏域内での消費行動が変化して域外への移動を伴うものに変化したときに観測されるもので、無から生じるものではない。

全国幹線旅客純流動調査における各交通機関別所要時間は国交省開発のNITASによって、各圏域の流動の中心として代表的行政府・・・県であれば県庁、また中心市の市庁を取って調べたものである。システムとしては「駅すぱあと」を利用したものである。
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h17/hakusho/h18/html/H2052200.html
http://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/soukou/nitas/nitasout.pdf

また、207生活圏について
http://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/jyunryuudou/doc/207_Zone2005.pdf

運賃・旅費は「駅から時刻表」のデータに基く。航空運賃は普通運賃での利用を前提とせず、飛行距離とANAの平均収入実績の値を掛け算して平均運賃を用いた。平均像で各割引運賃との乖離はあるけれども、普通運賃をそのまま用いたり、無根拠に選んだ割引運賃を用いるよりは妥当な結果を得られると考えられる。
以下全てのグラフで縦軸は全て鉄道/(鉄道+空路)で取った、公共交通機関の流動内での鉄道のシェアである。バスはどこでも1割に満たず小さすぎるので無視した。集計したデータは次の通り。近似曲線は断りが無ければすべて二次である。
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/8081b41d86f00e289bca187351ddd727/1320649128

1、旅費や運賃とシェア
ExpenseDifferenceModel.png

平均運賃:ANAの平均収入実績と飛行距離の掛け算で得られた平均の運賃。
平均総額:平均運賃にアクセス・イグレスの費用を加算して得た旅費。
航空運賃:ANAの普通運賃。
航空総額:航空運賃にアクセス・イグレスの費用を加算して得た旅費。
鉄道総額:新幹線を用いた際のアクセス・イグレスの費用を加算して得た旅費。
運賃差:鉄道総額-航空運賃
平均運賃差:鉄道草額-平均運賃
総額差:鉄道草額-航空総額
平均総額差:鉄道草額-平均総額

何れも何とはなしに傾向はあるが、いかんせんR^2の値を見れば明らかな通り、散らばりすぎて相関性の薄い曲線しか得られない。運賃を見ると、鉄道運賃の硬直性により航空運賃が安ければ航空のシェアが高くなると断言はできるが、差分を見るとほぼ一定である。

鉄道は距離比例で運賃と時間がかかって、尚且つそれはかなり硬直的だ。つまり調べるのが煩雑な一方で所要時間に近似するので積極的な価値を失う。

2、所要時間とシェア
TimeModel.png
 

駅すぱ鉄道駅間:駅すぱあとで特に指定せず市役所最近接駅間で取った所要時間
駅すぱ航空駅間:駅すぱあとで特に指定せず市役所最近接駅間で取った所要時間
駅すぱ時間差:駅すぱ鉄道駅間-駅すぱ航空駅間
鉄道所要:NITASの所要時間
航空所要:NITASの所要時間

航空の所要時間はまったくシェアと関連して無いといっていい。なので棄却する。

唯一鉄道の所要時間は良さそうに見えるが、近似曲線は次数を上げてもR^2が0.8に届かない。

3、所要時間差とシェア

TimeLagModel.png
鉄道と航空で所要時間差を取って近似曲線を入れる。すると、空港近接エリアであるか否かに関わらず、鉄道対航空のシェアの傾向は同じくなることが判明する。しかも2次でも収束は良い。3次の近似曲線を入れるとR^2は0.9を超えてくる。このことから、時間差モデルであれば空港が近接するエリアか否かに関わらず適用することが可能で、しかも航空近接エリアのみで収束する費用モデルと乖離しないことが判明した。

時間差モデル同士では、Googleルート検索に基いた時間差モデルが最も収束が良い。一方、NITASでの時間差は幹線旅客純流動調査のデータベースで容易に調べ比較することができるので需要予測が楽である。また、駅すぱあとによる時間差モデルも収束は悪くないので、何れか調べやすい方法を用いるか、または3種の予測を平均して用いて信頼度を高めるのが適当であると思われる。

4、Googleルート検索で圏域間の所要時間を取る方法

圏域間の所要時間は幹線旅客純流動調査の所要時間と同じく、流動の中心点と推測されるもっとも有力な地点をもって調べる。全体としては次の通り。
GoogleRouteSearch_1.png
末端がポイントで、道南は渡島支庁、東京23区は新宿都庁を取る。
GoogleRouteSearch_3.png
GoogleRouteSearch_2.png

5、NITASによる幹線旅客純流動調査の所要時間について

庁舎間で取ってるかどうかについて疑問もあろうかと思われるが、実際に検索してみればよい。

2010年時点では、秋田~岩手ではGoogleと一分差

GoogleRouteSearch_4.pngKRJR2005Search_1.png

道南~道央では、3分差で得られる。

GoogleRouteSearch_5.pngKRJR2005Search_2.png

一方で、東京~福岡では、航空はNITASの157分に対し250分、鉄道は、388分に対して357分となる。107分差である。乗り換え時間の評価、利用する都市内交通機関が、路線バス以外でも差があってのことだろう。


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【2011/11/07 17:06 】 | 需要予測 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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